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nobel
【生きる力】
放浪記
森光子のでんぐり返し舞台が有名だが、原作は貧しい環境の中、文学を心ざす主人公の知的かつ、感性の豊かさに感動。当時の庶民の教養とエレガントさにも驚く。
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nobel
【動物化、脱人間】
地球星人
情愛やコミュニケーション、親子や男女関係など、素晴らしいとされている人間らしさに疑問符が打たれているAI時代の空気を見事に小説化。脱人間で動物化する幸福?!
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manga
【母と息子問題】
血の轍
美談で語られがちな、ニッポンの母と息子の濃密な関係。そのダークサイドを息子である男性から描いたのっぴきならぬ作品。それにしても、母性神話の呪いって・・・。
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criticism
【日本人論】
空気の研究
忖度もわきまえも全て、私たちを支配し、モラルとなっている「空気」の分析とその実態。SNS時代になって、実はより強力になっているそれを見抜いた著者の見識に脱帽。
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nobel
【時間と空間】
百年の孤独
同名焼酎ならば知ってるが、未読の方は是非。砂漠の村の一族の壮大かつ緻密な物語が、結局、無に返る一連の時間は、まさに仏教の諸行無常。地球と人間のメタファー。
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nobel
【女性論】
悪女について
変死した美貌の女実業家。27人の男女が語る彼女の実像は裏表どころか27通りの別人のよう。サスベンス的な筆致の中に、女の生きづらさが透けて見えるところがキモ。
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nobel
【エロス】
あやまちは夜にしか起こらないから
ポリアモリー(複数のバートナーと関係を結ぶ流儀)をテーマに、人間の本質と関わり合う性愛の在り方、嫉妬、快楽の多様性が余すことなく描かれた官能文学の傑作。
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SF nobel
【ディストピア】
三体
文化大革命で父を惨殺され、「人類は滅びるべし」という少女の意思が全ての発端だった。驚くべきスケールとアイディアで展開する科学、政治、宇宙、歴史を紡ぐSF。
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nobel
【記憶】
密やかな結晶
昨日まであったものがある日突然消滅し、その記憶すらなくなってしま世界での日常の物語は、奪われることに慣れきった生存戦略のようにも思われ悲しくも美しい。
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nobel
【自由と民主主義】
服従
テロと移民にあえぐフランスに、穏健イスラムの政権が誕生したら?! という大胆不敵な設定の元、知識や教養、自由と民主主義の危うさの本質が描かれる。